声区融合の練習として、メッサディヴォーチェ messa di voce という練習法があります。
実際に試してみて、地声と裏声との境界線を薄くしていくのにすごく効果的だと感じたので、紹介したいと思います。
メッサディヴォーチェとは
messa di voce はイタリア語で、 placing of voice (声の設置)ぐらいの意味です。
もともとは一定の音高の声を、最初は小さく出して、徐々に声を強くし(クレッシェンド)、その後徐々に弱くしていく(ディミヌエンド)ものだそうです。
声区のスムーズな切り替えのための練習
この音高を、地声でも裏声でも出せるような音域に持ってきて、メッサディヴォーチェを行うことで、
地声と裏声をスムーズに切り替える効果的な練習になるのです。
この場合、小さく弱い裏声から始めて徐々に声を強くしていくと、どこかで地声に切り替わります。
それを徐々に小さく弱くしていき、裏声にしてフェードアウトします。
シンプルなトレーニングですが、最初のうちはかなり難しいと思います。
メッサディヴォーチェのいいところ
シンプルな練習方法なので、いつでもどこでもできるのがうれしいところです!
家にいるときなら、ちょっと思い出したときとか、家事しながらでも、準備なしにすぐにできてしまいます。
外出時でも、電車などは基本まわりが騒がしくて自分の声は聞こえていないことも多いので、
私は口を閉じながらハミングでやっていたりしました。
でも何回か聞かれてたみたいです笑
練習の際の留意点
シンプルな練習方法なのですが、シンプルさを保つのが難しいかもしれません。
ボリューム以外は変えてはいけない
発声時にボリューム以外の要素である音高、音色を変えたり、ビブラートをかけたりは、しないほうが望ましいです。
地声と裏声を切り替えるときに、これらの要素に頼ってごまかしてしまうと、
ごまかさなければスムーズに切り替えができない状態になるおそれがあります。
とはいっても最初のうちからすべてを維持するのは難しいので、最低でも音高だけは維持するように努めましょう。
最初は口の形ぐらいは変えても大丈夫です。
ブリッジ付近でふらつかない
ボリュームでも
付近に近づくと極端に小さくなったり大きくなったりすると、やはりボリュームでごまかしてしまうことになるのであまりよくないです。ボリュームが最小の声と最大の声が直線でつながっているようなイメージでやってみてください。
裏声をちゃんと使う
低い裏声は地声でも出すことができるのですが、声区のスムーズな切り替えが目的なら、
小さく弱い地声で始めたり終えたりするのはやめましょう。
始めから終わりまで、裏声→地声→裏声と意識的に2回ブリッジを渡るようにしましょう。
私も最初は全然うまくいかずひっくり返してばかりいたのですが、
数日間ずっとんーんー言ってたら、結構スムーズに切り替えができるようになりました。
人によるところはあると思いますが、自分の中ではすぐに効果が現れたほうなので、ぜひ試してみてくださいね。
それでは~