地声と比較すると裏声はかなり柔軟性が高いですよ、というお話です。
そもそも地声・裏声って何?
地声とか裏声とか言っても、人によって感覚も違うし、定義も色々あるのですが、ここでは
声を低音域から高音域まで徐々に上げて行った時に、声質や発声の感覚が切り替わるポイントがあった時、そこより下が地声、そこより上が裏声
ということにしておきます。
人によっては切り替わるポイントが明確に意識されないこともあるので、なかなか難しいですが…
ちなみに、この切り替わるポイントのことを換声点とかブリッジといったりします。
この二つの声区では、使っている筋肉群が違うらしいです。
裏声は柔軟
さて裏声が柔軟というのはどういうことかと言うと、トレーニングをした場合に、音域がより広がりやすいのは裏声だということです。
これは高音域に限らず低音域にも言えることです。
例えば、裏声でより高音域まで声を出せるようにする、いわゆる高音開発は、地声でより高音域まで出せるようにするのに比べて、ずっと結果が出やすいのです。
また非常に小さな声であれば、かなり低い音域まで裏声で出すことができます。
具体的には、200Hzより下の音まで出せます。
私の場合は130Hzぐらいまで出ていると思います(小さすぎて使い物になりませんが笑)。
裏声の低音開発
裏声で低音域まで出せるようになると、表現の幅が広がりますし、対応力も高くなります。
単純に、地声でも裏声でもどちらでも出せるような音域の幅が広がるので、
例えば、歌う時に早い段階で余裕をもって地声から裏声に切り替えたり、サビを全部裏声で歌ってしまったりできるようになります。
最初のうちは、裏声からだんだんと音を下げていくと、すぐに地声に戻ってしまったり、声が小さくなっていって息だけになってしまったりすると思います。
(たぶん、声が小さくならないようにすると地声に返ります。地声に返らないようにすると小さくなります。)
でも、鍛えれば強くなっていくはずです。
私も最初は地声に戻ってしまうことが多かったのですが、何回も出しているうちにコツを掴んできて、
今では250Hzぐらいなら地声と同じぐらいの強さで出せるようになりました。
普段から裏声しか使わずにしゃべっている人で、結構低い音まで出せる人もいますが、
その人たちの声を聞いても、地声っぽく聞こえると思います。
ただし条件付き
裏声が地声よりも柔軟だというお話をしました。
ただし、これは地声と裏声が同程度に鍛えられている場合の話です。
例えばその人が普段から地声しか使っていなければ、鍛えられていない裏声が鍛えられた途端に急激に発達するでしょうが、
普段使っている地声の発達が遅いのは当然のことです。
逆に、普段から裏声でしゃべっている人は、地声を鍛えた途端急速に地声がよく出るようになるので、
むしろ地声の方が柔軟性が高いと感じることがあるかもしれません。
このように人によって違うのが、声の難しいところでもあり、面白いところでもありますね。
ご覧いただきありがとうございました。
ではでは