笑顔で歌うといい理由とその効果的な実践方法

 

学生時代、音楽の時間などで合唱の指導のときに「笑顔で歌いましょう」とか「口を指2本分縦に開けて」とかと言われたことがありませんか?

これは歌を歌ってきた人たちの経験から導き出された歌唱法だと思いますが、具体的にはどのような効果があるのでしょうか。

今回は、岡山大学の研究論文(片山・虫明 2020)の内容を紹介しながら、

  • 笑顔で歌うことによってもたらされる効果
  • 笑顔を使い分けて効果的に歌う方法

についてお話していきます。


笑顔が一番

こちらの研究では、まず大学生の男女47名に『無表情』『怒り』『悲しみ』『笑顔』の4種類の表情で同じ楽曲を歌ってもらい、

「歌いやすさ」「響き」「自然さ」「高音の出しやすさ」「低音の出しやすさ」「呼吸のしやすさ」を5段階で評価してもらいました。

その結果、『無表情』では「響き」と「高音の出しやすさ」について低評価が多く、『怒り』『悲しみ』ではほとんどが歌いにくいと感じている一方で、

『笑顔』では全項目で高い評価を受けていました。

また多くが表情を変えることで声に変化があったと報告しました。

ただし、無理に表情を作ると歌いにくく感じると報告した被験者も。

表情を作ることに意識を向けるというよりも、うれしいことがあって自然と笑顔になったような感じで歌うといいのかもしれません。


実際、歌手が歌っているところを見ると、口角を上げて歌っていることがほとんどです。

これはパフォーマンスとしての面もあるかもしれませんが、歌いやすいと感じる人が多いためでしょう。

バラード曲を歌う時でも口角を上げていますよね。

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響きと高音には「たての笑顔」

研究では、次にどんな笑顔で歌うのが歌いやすいのかを調べるため、小学生から大学生を対象にした実験を行いました。

被験者に3種類の笑顔(「微笑み」「口を横に開いた笑顔」「口を縦に開いた笑顔」)で歌ってもらい、

「歌いやすさ」「響き」「高音の出しやすさ」などの7項目について5段階で評価してもらいました。

表情マーク(片山・虫明 2020)

結果は学校種によって異なる部分もありましたが、

全体的に『たての笑顔』は響きと高音の発声のしやすさに好影響を与える傾向があること、

また、『微笑』は低音が出しやすく自然に歌える傾向があることが示されました。

こちらでも意識しすぎることは逆効果になってしまうようです。


この研究から考えると、低音域は微笑むぐらいで歌い、中高音域は口を縦に開けることを意識して歌うのが最も歌いやすい方法だと推測されます。


ただ、このような傾向が見られるだけであって、当然万人に当てはまるというわけではないので、

自分が一番歌いやすい表情で歌うのがベストだと思います。

私の場合は、口を縦に開けると発音がはっきりするし、響きも明るく感じて、声がよくのびる感じがするので、

結構大きめに口を開けることを意識しています。

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自分で感覚をつかむ

歌は知識というよりかは本人の感覚の部分がどうしても大きくなってしまうので、

感覚をつかむまでは指導する側もされる側も難しいところだと思います。

論文の冒頭には、『教育音楽』という雑誌の歌うときの表情に関する記述がまとめられています。

自分でもいろいろと実験してみると、「あっ、ここだ!」と思う瞬間があったりもするので、

今回ご紹介した論文の記述も参考にしながら、いろいろ試してみるといいかもしれませんね。

参考になったらうれしいです。

では!👋