日本のポピュラー音楽では、曲が出来上がるまでの間に、作詞作曲の他に編曲という工程があることが普通です。
編曲者の名前は作詞作曲と比べると明るみに出ることが少なく、あまり意識されることはありません。
しかし、それは決して編曲の仕事が作詞や作曲と比べて楽にできるということを意味するわけではありません。
編曲とは?
作詞・作曲・編曲の中で、おそらく最もイメージしやすいのは作詞でしょう。
作詞は歌詞を書く工程です。
そして作曲は、歌詞のある部分など、ボーカルが実際に歌う部分のメロディーを作る工程です。
一方編曲は、実際の音を作り出す工程のうち、作曲以外の部分を担当しています。
イントロやアウトロ、楽器ソロパートなどの部分で使用する楽器やメロディーを決めるものです。
そしてその後に各パートのバランスを整えるミキシングやマスタリングを経て、一つの曲が完成します。
私もこういうことを知る前までは漠然と、
作曲の時点で一つの楽曲が完成していて、編曲はそれを色付けするというか、ちょっと斜め上の立場から、
ここはもうちょっとこうした方がいいんじゃないの?とか言うような人なのかと勝手に思っていました。笑
編曲の専門性
編曲者は作詞作曲で出来上がった曲と詞を聞いて、
どこでどう盛り上げてどう着地するか、どういう雰囲気が適切か、
そのためにドラムはどうするか、どういう楽器が適切か、コード進行はどうするかなどを決めます。
もとの詞曲の持ち味を損なわせることなく、それらの魅力を最大限に引き出すために、
音楽的な専門知識や技術や経験が求められるのです。
作詞や作曲だけなら、なんとなく鼻歌を歌っていたり、メロディーを口ずさんでいると素人でもできてしまいそうですが、
編曲はそういうわけにはいきません。
もちろん作詞や作曲も、本当にすばらしい詞曲を書こうとすれば、相応の知識や技術が求められるのには変わりありませんし、
編曲は詞曲ありきなので、どうしても編曲者の立場が下に見えてしまうようなことはあるのかもしれません。
しかし、仕事の価値としては作詞・作曲・編曲に大きな違いはないと思います。
編曲者を尊敬したい
作詞・作曲者の名前は曲名の横には必ずといってもいいほど並ぶし、世によく知られていることが多いのですが、
普段あまり表に出ることのないのが編曲者です。
作詞も作曲もめちゃくちゃすごいことなんだけど、編曲もそれに負けないぐらい、時にはそれ以上にすごいこと。
編曲という重要な仕事の存在を心に留めながら、音楽を聴こうと思ったのでした。
閲覧ありがとうございました。
それではまた