外国語の単語の暗記に効果的な方法
英単語などの外国語の単語を効率的に暗記するためには、どんな方法をとるのが一番よいのでしょうか。
今回は、単語を暗記するのに役立つ方法について、いくつかご紹介したいと思います。
前提:目的によって最適な方法は違う
英語のテキストの約50%は英語で最もよく使われる100語から成り立ち、
約90%は最もよく使われる1000語から成り立つといいます(Fry, Kress, and Fountoukidis 2000)。
とりあえず実用レベルで読むことができればいいというのであれば、その言語で最もよく使われる1000語だけ覚えれば間に合うでしょう。
英語の場合、この1000語は中学までにほぼ全て学びます。
目的が受験や海外での仕事であれば、試験でよく出る単語やその業界でよく使われる単語を覚えるのが効率的です。
場合によっては単語だけではなく、発音や用法もまとめて覚える必要も出てきます。
単語に「意味」を持たせる
無意味なものよりも意味のあるもののほうが記憶に残ります。
これは、新しい記憶をすでに存在している記憶と結び付けることができるからです。
単語を単なる文字の羅列という無意味なものとして見るのではなく、何らかの意味を持たせます。
語の成り立ちという意味を付け加えたり、日本語に入ってきている英語から連想させたり、あるいは自分で語呂合わせをしてもいいかもしれません。
例えば、英語で retrieve(~を取り戻す)という単語がありますが、
re- が「再び」という意味を含む接頭辞であること、
犬種名のレトリバー(獲物を持って帰る)、
tri と「取り」をかけて覚える、などで記憶がしやすくなります。
特に効果的なのが、ストーリーと結び付けることです。
ストーリーを使うことによって、単語を単独で覚えるよりも記憶に残りやすくなることを示す研究(Bower and Clark 1969)もあります。
retrieve なら、投げたフリスビーをゴールデンレトリバーが取って帰ってくるような映像を想像するのがひとつの例です。
短期集中で何個も暗記し、何度も周回する
1000単語覚えるとしたら、毎日3単語を1年かけて覚えるのは得策ではありません。
1年後には最初に覚えた3単語を忘れてしまっているからです。
この方法ではなかなか単語の暗記は進みません。
それよりも1日に50単語を20日かけて覚えたほうがいいし、
時間さえ許せば、それよりも1日に500単語を2日かけて覚えたほうがいいのです。
もちろん、1日では全て覚えきれませんが、ここで重要なのは「既視感」を持たせることです。
脳は短期間に何度も繰り返し遭遇したものごとを重要なことだと判断し、長期記憶に分類します。
だから、大事なのは毎日やることです。
手で書く・声にして読む
手で書くことと声にして読むことはアウトプットになります。
そして、手で書いたものを目で見ること、声に出したものを耳で聞くことが、そのままインプットになります。
これで1度に2回ずつのインプット・アウトプットができます。
当然、ひとつの単語に短時間に何度も遭遇することになるので、記憶に残りやすくなります。
その言語に触れる機会を増やす
例えば、いつもは日本語で調べているけど、英語のページも調べてみよう。
英語の動画は避けていたけど、ちょっと聞いてみよう、ということです。
先述のように、たった1000単語とその用法がわかっていれば、ほとんどの場合9割の内容は理解できると思います。
最初のうちは全然内容が頭に入ってこないような状態になることもありますが、ずっと読んだり聴いたりしていると、意外とすぐに慣れてしまいます。
知らない単語に遭遇したらその都度調べる
これは何も外国語の単語学習のみについて言えることではありません。
その言語を母国語とする人たちでも、世の中に出てくるその言語の単語を100%理解できるわけではないし、
知らない単語に遭遇すればその都度辞書を引いて確認します。
だから、これは決して恥ずかしいことではないのです。
参考になれば幸いです。
では