作者と作品の関係に関する考察

 

作品は作者が産んだ子です。

だから作品と作者を結びつけたくなることもあるでしょう。

しかし、作品と作者の結びつきを強調する意味はありません。

今回は、作品と作者の関係について考えていきます。


親子関係のアナロジーとしてとらえる

作品と作者の関係は、親子関係によく似ています。

作者は苦労して作品を産み、育てます。

子は親の鏡という言葉もあるように、作品はもちろん作者の影響を多大に受けますが、

作者も作品を産み育てる過程を通して新たな発見をします。


そして作品が親元を離れたとき、つまり作品が公開されたとき、

作品にとっては、自分を評価する主体が作者だけではなくなります。

むしろ、作品が多くの人に広まっていけばいくほど、自分を評価する主体としての作者の存在感は薄まっていきます。


作品を主に育てるのは作者から、作品に触れた人々に変わります。

その過程では、作者が当初予想していた通りの解釈のされ方を作品が受けられる保証はありません。

しかしそうした過程を経てこそ、作品は作者の手元を離れた瞬間よりも、もっと成長して大きくなっていけるのです。


作品の解釈のされ方に制限をかけようとする作者は、

自分の子を思い通りに操ろうとする親と同じぐらい愚かしいのです。

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作者が嫌いなら作品も嫌い?

今度は作品の受け手側の話です。

作品の評価というのは、受け手の作者に対する態度をもちろん反映します。

作者に好印象を抱いている人は、その作品に多少の欠陥があったとしても、それを受け止めてしまうかもしれません。

作者に対してはじめから敵意を持っている人は、その作品に好ましい評価をしたがらないでしょう。

作者を意識している受け手は、純粋に作品の価値のみで評価することはしません。


ところが、さきほど述べたように、作品と作者は親子にすぎません。

親子は、親子とはいえ他人です。

もし自分の嫌っている人がいたとして、その人に子どもがいたら、その子どもを嫌いになりますか?

作品と作者は切り離して考えるべきものだと思います。

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では👋